2015年11月2日月曜日

【お知らせ】今年も「となりの暦」ができました!



昨年ご好評をいただいた、世界にひとつだけのカレンダー「となりの暦」が、今年も販売決定となりました。これは、私もメンバーである、NPO法人ARBA(The Alternative Relations in Asia)によるカレンダーで、ARBAの活動地であるベトナム、カンボジア、そして日本の3つの国の写真と言葉が使われています。それぞれの国の祝日が3言語併記で記載され、会員の撮影による写真では、その土地ごとの素朴な日常風景が切り取られています。

ありそうで実はなかった3国をつなぐカレンダー。限定100部の販売で、売上はARBAの支援活動に当てさせていただきます。特設サイトもご用意していますので、ご興味のある方はどうぞお早目にご予約ください。※11月1日より予約開始しております。

となりの国を、あなたのとなりに。皆さまにお届けできるのを、楽しみにしています。
http://arba.asia/koyomi/


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2015年11月1日日曜日

『Tanpopo』の字幕製作に携わりました


もう、今年の3月頃の話になってしまいますが… きちんと書いていなかったので、あらためて記録しておこうと思います。

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田中幸城監督(高崎経済大学)の自主製作映画『Tanpopo』のベトナム語字幕を、Vu Thi Thu Hongさんとの共訳で製作しました。上記フライヤーも、日本語版からベトナム語に翻訳しています。



映画は群馬県高崎市とベトナムダナン市を舞台に、現在と将来に悩む日本人大学生たちが、ダナンに暮らす人々との出会いや交流を通して成長していく物語です。2014年に映画が完成し、主に高崎市にて上映していたという本作品ですが、「お世話になった現地の人たちにもぜひ観てほしい」という田中監督の願いのもと、台詞を翻訳してベトナム語字幕をつけることになりました。2015年3月に、映画製作チームの皆さんはダナンに渡り、無事に現地での上映を叶え、その盛況ぶりを伝えてくれました。ダナン上映をもって、一旦このプロジェクトは終わるということでしたが、今後もその時々の状況に応じて、どこかしたで上映を続けていきたいということ。残念ながらDVDは販売されてはいないのですが、私も記念に一枚いただいています。もし観たい方がいらっしゃれば、お貸しできる方に限られてはしまうのですが、個人的にお声掛けいただければと思います。

さて次はどの街で上映してくれるのでしょう…私もとても楽しみにしています。素敵な綿毛が、これからもあちこちに飛んでいきますように。

映画『Tanpopo』の詳細はこちら


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2015年10月25日日曜日

映画『あん』


10月25日(日)、上中里のアートスペースChupki(チュプキ)さんにて、映画『あん』を観てきました。映画三昧な週末。最近映画(特に邦画)をよく観に行ってしまうのは、単純にそういう環境が久しぶりでうれしいのと(ベトナムで邦画は観られなかったので)、身近に楽しい映画仲間たちができたのと(ひとりで観るのも好きだけど、誰かと記憶を共有できるのもいいな)、若干の現実逃避と(本当に若干か?)、その他、いろいろ。


『あん』は、映画館で予告編を観てから気になっていた作品。大きな映画館で観るのを逃してしまっていたので、いつかDVDででも観たいなぁ…なんて思っていたら、ある日、よく利用する上中里駅の近くにC立て看板があるのに気づいて、参加することにしたのでした。娯楽施設の少ない上中里で映画が観られることに感動したのも、参加の理由でした(笑)

会場であるChupkiさんは、毎月4回、その月のおすすめの映画を紹介している小さなアートスペースだそう。視覚に障がいのある人にも映画を楽しめるようにと、独自の音声ガイドの製作や、字幕朗読などのサポートをしていて、この日も音声ガイドが聴けるよう、全員にラジオを配ってくれました。実際に当日の10名ほどのお客さんのなかには、目の不自由な方もいらっしゃっていて、音声で楽しんでいました。

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●Chupkiさんのサイト
http://chupki.petit.cc/

●映画『あん』のサイト
http://an-movie.com/
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さて、その『あん』(以下ネタバレを含みます)。

小さなどら焼き屋を営む主人公・千太郎のもとに、ある桜が満開な日にやってきた老人・徳江。ここでアルバイトがしたいと言う。はじめは邪険に扱う千太郎だったが、徳江の持参した「あん」の美味しさに驚き、あん作りを依頼、二人の協働が始まる。どら焼き屋に通う悩める中学生のワカナも含め、三人の登場人物の心の交流が始まる… 簡単に紹介すると、そんなお話です。徳江がハンセン病患者であることが発覚し、雇い主として悩む千太郎、心ない言葉をかけるオーナー、自然と足が遠のくお客さん、それでも通い続けるワカナ、そして姿を見せなくなる徳江…。少ない登場人物たちの穏やかに静かに悩み続ける心の様子が、四季の移り変わりの美しい情景とともに、とても丁寧に描かれてゆきます。

映画の素敵なところをあげるとキリがなく、「もう、ぜひ観てください」というしかないのですが、ひとつだけ紹介するとしたら、物語の終盤に出てくる徳江さんの言葉。

「私たちは、この世を見るために、聞くために生まれてきたの。だとすれば、何かになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ、店長さん」

後日、一緒に映画を観た友人とも、「ここの台詞が本当によかった」という話をしました。私たちはつい日々の生活なかで、人の役に立つことや社会に貢献できることに美徳を感じて、自分もそういう人間になりたいという風に思ってしまうようになっています。でもそれは逆に、人の役に立てなかったり、社会に貢献できなければ、自分には価値がないと認めてしまうことでもあって・・・。そんなことはないはずだと、私たちにはひとりひとり、存在するだけで価値があるはずで、ただ、ここに居るだけでいいんだよ、それだけで素晴らしいことなんだよと、徳江さんの言葉に励まされたのが、この映画を観て一番印象的なことでした。そしてハンセン病という重厚なテーマを扱いながらも、それが悲観的にだけ描かれていない点が、この『あん』という映画の美しさだとも思いました。


観賞後は、Chupkiのスタッフさんが作ってくださったどら焼きをいただきました。映画のパンフレットに出てくるレシピを使って再現したというこのどら焼き、本当に美味しくて、作った人のあたたかさを感じるような味でした。いただきながら、会場に居合わせた10名ほどの皆さんと映画の感想を交換。それぞれに沁み入ったポイントがあって、自分とは違った観方があって、そういう話をシェアできたのもよかったなと思いました。私は音声ガイドを、途中ちらっと聞く程度にしか利用しなかったのですが、ずっと音声ガイドで映画を観ていたお客さんの感想で、映像だけではわからなかった言葉の情報が入っていたことを知ったり(どら焼きの生地を焼くための特別なお玉を「どら匙」ということとか)、その方が私が通り過ぎてしまった台詞を細部にわたって覚えていたり、そんな発見もありました。

Chupkiのスタッフさんから聞いた話によれば、監督の河瀬直美さんはリアリティーを重視する人で、映画をストーリー通りの撮影をするために、本当に一年かけて四季の情景を追いかけたり、俳優陣に近くのアパートに泊ってもらって、実際に毎朝どら焼き屋のセットにまで通ってもらったり、千太郎役の俳優・永瀬さんに、レジからお金を取って昼食を買ってもらったり… 様々な工夫をしだそうです。でもそれらの工夫があって、あの映画の丁寧な雰囲気が出来上がっているんだろうな、というのは本当に納得でした。

上中里での上映は10月で終わってしまいましたが、渋谷の「シアター・イメージフォーラム」ではもう少しの間やっているようです。もう、ぜひ観てください。

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2015年10月24日土曜日

映画『ベトナムの風に吹かれて』


Thứ bảy, mình đã đi Rạp chiếu phim Yurakucho-Subaruza để xem một bộ phim Nhật được quay tại Hà Nội, tên là "Hòa cùng làn gió Việt". Mặc dù chủ đề của phim này là suy giảm trí nhớ của người cao tuổi, nhưng nhờ không khí và môi trường tại Hà Nội với những người hàng xóm, cuộc sống của hai mẹ con người Nhật này có vẻ vui vẻ, hiền hòa.


土曜日、有楽町スバル座にて上映中の『ベトナムの風に吹かれて』を観てきました。

本当は、ホーチミンで知り合い東京在住の友人達と3人で観に行く予定だったのですが、私以外の2人が電車の人身事故で足止めを食らい、相談の結果今日はひとりで観よう、ということになりました(笑) そんな日もありますね。

小松みゆきさんの実話をもとにしたハノイを舞台にし作品。認知症をかかえるお母さんとみゆきさんと、おふたりを取り巻く人たちとのあたたかな日々が描かれています。原作(みゆきさんの手記)は未読なので、映画ではどこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのか、まだちゃんとわかっていない部分もあるのですが、映画では認知症というテーマを、ときに軽やかに、ときに重厚に、ちょうどいい塩梅で描いていたように感じました。迷子になったお母さんをセオムのおじさんが日系のホテルまで連れてくるエピソードが、ベトナムを感じさせてよかったです。松坂慶子さんの話すベトナム語はとても素敵で愛おしく、草村礼子さんの演技には鳥肌が立ちました。(そしてごめんなさいですが、吉川晃司さんのシーンだけはどうして必要だったのかが謎でした…)

上映している映画館がとても少ないのですが、スバル座では11月6日(金)までだそうです。ご興味ある方はお見逃しなく。

ちなみにベトナムでも公開されたこの映画、タイトルは"Hòa cùng làn gió Việt"となっているようです。日本映画がベトナムで公開されるのは本当に珍しいこと。今後増えていったらうれしいな、と思っています。

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●映画『ベトナムの風に吹かれて』公式サイト
http://vietnamnokaze.com/

●VTV放送局による紹介記事
http://vtv.vn/van-hoa-giai-tri/chuyen-nhung-tam-hon-nhat-hoa-cung-lan-gio-viet-20150820110443217.htm

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2015年10月21日水曜日

自主勉強会、はじまる


Thứ tư, mình đã đến trường đại học Hitotsubashi ở thành phố Kunitachi, Tokyo để gặp một giáo sư đã/đang nghiên cứu về các từ ngữ tiếng Việt và phương pháp giảng dạy tiếng Việt cho người Nhật trong một thời gian khá là lâu.


先輩であるベトナム語講師のEさんと一緒に、一橋大学のある研究室を訪問してきました。ここにはベトナム語研究者のG教授がいて、今年5月に講演会でEさんと共にお会いしてから、「3人でベトナム語自習勉強会をやりましょう」という話をしていて、それから満を持しての訪問となりました。

この日はベトナム語教授についての疑問点や悩みをお互いに打ち明け、勉強会の方向性を話し合い、気づいたらあっという間に時が経っていました。G教授の研究室にはベトナム語の辞書が溢れていて、不明な単語があるとすぐに「こっちではこう書いてあるけど、こっちではこうですねぇ」と辞書を開き出す教授の姿に、長年おひとりでベトナム語に取り組んできた、その誠実さと実直さを垣間見ました。

宿題をひとついただき、次回の勉強会までにそれに取り組みます。楽しみが、続きます。


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2015年10月17日土曜日

ルーマニア料理の夕べ


Thứ bảy, sau khi làm việc xong, mình qua nhà bạn chơi. Bạn ấy là một người giỏi nấu ăn, ngày đó thì nấu hai món ăn Romania cho mình. Ngon lắm, vui lắm.


最近引越しをしたご友人が、新居に呼んでくれました。外国暮らしが長く、料理好きでもあるご友人、今宵は私のために前日から煮込んでくれた(ありがたいです…涙)というルーマニアのロールキャベツと、ヨーグルトベースで酸味の効いた野菜スープを出してくれました。これがどちらもほんと~に美味しくて、美味しくて、ロールキャベツを5つ、スープを2杯をペロリとたいらげる私でした(笑) 料理好きな理由を「自分が美味しいものを食べたいから」と話すご友人の姿が、とても素敵でした。

ルーマニアやその他の国の音楽を聴きながら、久しぶりの再会で、おしゃべりに花が咲き。最近ベトナムの中部に旅行に行ってきたご友人のお土産話もとてもおもしろく、私もまたフエやホイアンに行きたくなってしまいました。

私が最近ちょっと怒ってしまった話をしたときに、「私たちには笑う権利があるように、怒る権利もあるんだから、いいの」と言ってくれたご友人のあたたかさが、美味しい料理とあいまって、体に染みました。誰かが自分のために作ってくれたご飯が、こんなに美味しいということを、久しぶりに感じた夕べ。Rさん、ありがとう。

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2015年9月10日木曜日

物想いふたたび


ホーチミン市内の好きなカフェ、Bang khuang cafe(バンコアンカフェ)へ。変わらない店内、ランチ。スタッフも変わっておらず、私を覚えていてくれて、嬉しかった。

以前こちらにカフェレポを書きました↓
http://nhatkytronghem.blogspot.com/2013/11/blog-post_22.html

私が勝手に「物想いカフェ」と呼ぶこちら、そこへ行ってしまったせいか何なのか、気持ちがふわふわしております。帰国が近いからでしょうか。久しぶりに「外国人」になったからでしょうか。単に人恋しいのでしょうか。

Bang khuangの名にふさわしく、ふわふわ。ふらふら。


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2015年9月8日火曜日

きょうのベトナム語~「エコ・プロダクト」


Sản phẩm xanh

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sản phẩm…製品
xanh…緑(場合によっては青)
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翻訳中の資料に出てきた単語。直訳は「緑の製品」で、英語の「green product」から訳してできた単語ではないかと思われます。日本語としては、「環境にやさしい製品」「エコ・プロダクト」などとするのがいいかな。

ベトナムでもエコは最近よく耳にする分野。エコがらみではxanh(緑)というキーワードの他に、thân thiện với môi trường=「環境に対して友好的である」=「環境にやさしい」もよく見かけるようになりました。

備忘録的な、きょうのベトナム語。


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2015年9月7日月曜日

そのめがね、何度?


カフェの店員さん、バスの車掌さん、バイクタクシーの運転手さんなど、たまたまその場に居合わせる人々。東京だったら非常にシステマティックに作業が進められ、会話もほとんどせずにいる人々ですが、ここサイゴンではそうもいかず。

出会いがしらに国籍を聞かれ、年齢を聞かれ、既婚か独身かを聞かれ、家族構成を聞かれ、ベトナム滞在年数を聞かれ… 初対面の人に質問されて答える情報量が日本のそれとは異なり圧倒的に多いことにはもうすっかり慣れましたが、今回の滞在中によく聞かれ、若干困惑してしまう新手の質問。それは、

「そのめがね、何度?」

ド近眼ですみませんねー!とひとり苦笑。確かに私は目が悪いのです。めがねは小4から顔の一部だし(思春期~大学卒業まではコンタクトに浮気)、レンズ越しには顔の輪郭がはっきり歪んでしまうので、度数が強いことも一目瞭然。しかしベトナムと日本ではレンズや視力の測量方法が全く違うらしく、

「マイナス9度くらい」

と答えると

「はあ?」

と言われ(マイナス、という数え方はしないらしい)

「あ、視力はもう0.01ない」

と答えても

「はぁ?!」

と言われ(これは単に驚かれているのかも?)

こんな感じで話がうまく通じないので、これはきっとはかり方が違うみたいだね、という結論に落ち着く、という…。

めがねを指摘されることは、嬉しくもなければ悲しくもないけれど、すっかりコンタクトを受け付けなくなってしまっためがね人の自分の目の度数を、ベトナム基準でも知っておかなければというへんてこな義務感に駆られる、そんな日々。

平和です。


写真はよくいく団地の下のカフェにて。いつものおばちゃんが、「おばあちゃん」業を楽しんでいました。


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2015年9月6日日曜日

南北統一鉄道体験


日曜日の今日は、日本から来ている研修グループの皆さんと一緒に南北統一鉄道の乗車体験をしてきました。南のサイゴン駅から北のハノイ駅まで、約1800kmを縦断する列車。今回はわずか40分の、サイゴン駅からお隣ビエンホア駅(ドンナイ省)までの乗車でしたが、車窓からの風景と、生活感たっぷりの車内の風景を味わってきました。


サイゴン駅ホームの様子。9時発のSE6という列車に乗りました。ビエンホア駅までのチケットは31000ドン(現在のレートで約170円)。念のためチケットは前々日に買っておきましたが、正解。車内はほぼ満席でした。ちなみに規定が変わったようで、チケット購入時には氏名とパスポート番号が必要になりました(昨年までは必要なかったのですが)。これらの情報はチケットにもちゃんと印字され、乗車時にチェックされるようになっています。


こちらは私たちが乗った車両の様子。今回は一区間の移動体験ということで、一番ランクの低い「ハードシート」タイプを選びました。木でできた、まさに「硬い椅子」(笑) 他にはリクライニング付の「ソフトシート」、寝台車両である「3段ベッド」と「2段ベッド」タイプがあり、それぞれに価格が異なります。

この列車は長距離移動に使われるため、私たちのようにサイゴン駅で乗ってビエンホア駅で降りる人はほとんどいません。お客さんは皆さん大きな荷物を抱えて乗車しますし、ホームには見送りの家族や友人たちで溢れんばかりです。皆さん、どこへ行くのかなぁ…。


こちらは車窓からの様子。ホーチミン市中心部を抜けると、景色がガラッと変わります。私は過去に一度だけ、約35時間かけて列車でハノイまで行きましたが、縦断中はこうした農村風景が大部分を占めていました。つくづく、ホーチミンは特殊な都市なのだと実感します。

車窓からの景色も楽しいのですが、もっと楽しいのは車内の様子。長距離移動にそなえ、ゴザや枕を持ちこんでそれらを床に敷き、寝そべる人多数。食堂車もあれば車内販売もあり、ここで何十時間も過ごす人々の生活感がたっぷりなのです。


約40分間の走行を経て、ビエンホア駅に到着。ここから乗りこむお客さんが多く、車内へと押し寄せる人々の波をかき分けて降りるのに一苦労な私たちでした。降車後しばらくホームで様子を見ていましたが、やはり見送りの人々が多く、中には涙ぐむ女性の姿も見られました。遠くに行ってしまう親戚や友人とのお別れの場面なのだろうと想像し、この国の南北の長さ、国土だけでなく精神的な長さ(遠さ)をあらためて感じました。


ビエンホア駅の外に出ると、こんな感じでゴザがたくさん売られていることに驚きました。長距離移動に必須のアイテムなんだな、と。「10」と書いてあるのは「10000ドン」の意味で(下3けたが省略さています)、一枚約55円。ほぼ使い捨てなのかな… 実際にこれを買って列車に乗り込むお客さんも多いのだろうと、車内の様子から伺えます。

このあとはタクシーに乗り換え、先日行ってきたお馴染みのカトリック教会に、グループの皆さんを案内しました。神父さんに、ベトナムにおけるカトリックの立場のこと、そしてドンナイ省という土地のことなどをじっくり説明してもらいました。工業地帯として発展し、仕事を求めて全国から人が集まって来ているドンナイ省。グループの皆さんにとって、ホーチミンという大都会の暮らしとの違いを感じることのできる機会になったのではと思います。


ところで、やっぱり列車はいいなぁと、ひとりどこかへ行ってしまいたい気持ちになった私でした。

ど~こ~かと~おくへ~ゆ~きた~い


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2015年9月3日木曜日

早朝散歩、きれいな空


僭越ながら(実はかなりドキドキしながら)前記事で掲載した『独立宣言』(拙訳)、多くの方に読んでいただけたようで大変うれしく思っています。興味を持っていただいた皆様、本当にありがとうございました。翻訳者として駆け出しの私ですが、これからも精進していこうと背筋が伸びました(猫背に拍車がかかっているので本当に伸ばしているこの頃、笑)。

ベトナムを独自の切り口で紹介するおもしろサイトの「べとまる」さんにも、この度ちらりとご紹介していただきました。ありがとうございました!
http://www.vietmaru.com/archives/46145123.html


さて、その独立記念の日であるその9月2日。ホーチミン在住で長いお付き合いになる日本人の友人Cちゃんと一緒に、早朝散歩に行くことになりました。めずらしく5時起きし、眠い目をこすりながらカーテンを開けると、なんと素敵な朝焼けが…!


ダッシュで着替えてフロントのお兄さんをたたき起してシャッターを開けてもらい(お兄さんごめん)、ホテルの外に出ました。朝からこんな景色が見られるなんてラッキーだなぁ、いいことがあるかなぁ…なんて見とれながらバシバシ写真を撮っていたら、同じく早朝散歩らしい通りすがりの地元のおじさんに「スマホ危ないぞ」と注意されました。知らない小娘だろうが、外国人だろうが、こうして注意してくれるのです。こういうところが好きなんだよ…と目頭を熱くしつつ、空があまりにきれいでお構いなしに写真を撮り続ける私でした(笑)


火みたいだよなぁと思って眺めていて、ある友人に写真を送ったら「水みたいだね」と言われました。逆…!と、人の感性の違いになんだかウキウキしました。


Cちゃんと合流して、1区Nguyen Hue通りにやってきました。中央部分が広い歩行者天国となったこの通り、特に祝日だからかもしれませんが、ランニングや体操する人々で賑わっていました。ところどころベンチもあって、腰かけておしゃべりに花を咲かせる人たちも。あるベンチから聞こえる元気な声のおばちゃんたちのベトナム語に聞き耳を立てたら、「あの店は美味しいのよ~~~」と情報交換をしていて、井戸端会議はどの国でも一緒だよねと微笑ましくなりました。CちゃんとNguyen Hue通りをゆっくり歩きながら2往復したら、人民市庁舎側でイベントのリハーサルらしきものが始まりました。私は見られなかったのですが、このあと日中に独立記念を祝うイベントがあったそうです。赤いアオザイの女性と、青いアオザイの男性の艶やかなコントラストがよかったです。


帰り途、Cちゃんと朝食を。最近できたらしいお洒落なカフェで、バインミーとコーヒーのセット(5万ドン=約274円)を食べました。美味。

Cちゃんは、実は私がベトナムに留学する前からの知り合いで、留学にあたってちょっとだけベトナム語を学んでいた池袋のランゲージスクールの、クラスメイト。私が留学した1年後に「私も行きます」と、同じくホーチミンに語学留学にやってきたCちゃん。年齢的にも立場的にも近い存在で、ホーチミン暮らしで彼女に精神的に助けてもらったことが何度も何度もありました。私が昨年、先に帰国をしましたが、現在も仕事をしながらホーチミン暮らしを続けるCちゃん。SNS嫌いで主義を貫くCちゃんの近況は、こうやって会って話さないとわかりませんが(笑)、でも本来はこうやって直接会って、人との付き合いって続いていくものだよなぁなんて思いました。SNSのおかげで遠くにいる、滅多に会えない人の近況も知れて、繋がっていられるようになって、それはとても素晴らしいことですが、同時にごくたまにでも、こうして大事な人には会い続けていけたらな、と。Cちゃんとは現在は住む場所が変わり、お互いに会える頻度は少なくなりましたが、不思議と「きっとまた必ず会えるだろう」という感覚を持ち続けられます。そういう友人って、貴重だなぁと感じた朝でした。


私も私で、どこにいても元気に過ごそうと、猫のように丸まった背中を、あらためてしゃんとさせています。

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2015年9月1日火曜日

国慶節にむけて―『独立宣言』(拙訳)


明日9月2日は、ベトナムがフランスおよび日本からの独立を宣言した日。ベトナムではQuốc Khánh(国慶節)として、国の祝日になっています。1945年の独立宣言から今年で70周年。節目の年でもあり、ハノイ市内では大きな式典が、ホーチミン市内でも華やかなイベントが開かれると聞いています。少し前から、街も国慶節仕様。あちこちで看板が見られたり、タクシーの上に国旗が掲げられていたり。


私は毎年、この日は故ホー・チ・ミン主席の独立宣言を読んだり、音声を聴いたりしてきたのですが、今年は思いきってその独立宣言を和訳してみました。すでに書籍やネット上にも和訳が存在するこの宣言ですが、ところどころそれらを参考にさせていただきながら、自分なりに全文を見直してみました。日本語としてより良い表現もたくさんあると思います。個人の試訳ですので、読んでみて何かお気づきの方がいましたら、率直なご意見やご感想をいただけるととてもうれしいです。

以下、少々長いですが、始まります↓

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※ホー・チ・ミン主席の肉声はこちらから聴けます。聴きながら読んでいただけると良いと思います。

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Hỡi đồng bào cả nước,

国じゅうの同胞達よ

"Tất cả mọi người đều sinh ra có quyền bình đẳng. tạo hóa cho họ những quyền không ai có thể xâm phạm được; trong những quyền ấy, có quyền được sống, quyền tự do và quyền mưu cầu hạnh phúc".

「すべての人間はみな、平等権を有して生まれる。創造者は彼らに、誰にも侵すことのできない複数の権利を与える。その複数の権利のなかには、生きる権利、自由の権利、幸福を追求する権利がある」

Lời bất hủ ấy ở trong bản Tuyên ngôn độc lập năm 1776 của nước Mỹ. Suy rộng ra, câu ấy có ý nghĩa là: tất cả các dân tộc trên thế giới đều sinh ra bình đẳng; dân tộc nào cũng có quyền sống, quyền sung sướng và quyền tự do.

この不朽の文言は、アメリカの1776年独立宣言のなかに存在する。考えを広げれば、先の文は次の意味となる。世界じゅうのすべての民族はみな平等に生まれ、いずれの民族も生きる権利、幸福になる権利、自由である権利を有する。

Bản tuyên ngôn nhân quyền và dân quyền của cách mạng Pháp năm 1791 cũng nói: "Người ta sinh ra tự do và bình đẳng về quyền lợi, và phải luôn luôn được tự do và bình đẳng về quyền lợi". Đó là những lẽ phải không ai chối cãi được.

1791年のフランス革命における人間と市民の権利の宣言も、次のように言う。「人々は権利について自由かつ平等に生まれ、権利について常に自由かつ平等でなければならない」。これは誰にも否定することのできない道理である。

Thế mà hơn tám mươi năm nay, bọn thực dân Pháp lợi dụng lá cờ tự do, bình đẳng, bác ái, đến cướp đất nước ta, áp bức đồng bào ta. hành động của chúng trái hẳn với nhân đạo và chính nghĩa.

にもかかわらず、この80年以上の間、フランス植民地主義者達は、自由、平等、博愛の旗を利用し、わが国を奪い、わが同胞を弾圧してきた。彼らの行動は、人道や正義と全く相反するものである。

Về chính trị, chúng tuyệt đối không cho nhân dân ta một chút tự do dân chủ nào. Chúng thi hành những luật pháp dã man.Chúng lập ba chế độ khác nhau ở trung, nam, bắc để ngăn cản việc thống nhất nước nhà của ta, để ngăn cản dân tộc ta đoàn kết. Chúng lập ra nhà tù nhiều hơn trường học. Chúng thẳng tay chém giết những người yêu nước thương nòi của ta. Chúng tắm các cuộc khởi nghĩa của ta trong những bể máu. Chúng ràng buộc dư luận, thi hành chính sách ngu dân. Chúng dùng thuốc phiện, rượu cồn để làm cho nòi giống ta suy nhược.

政治については、彼らはわが人民に、民主主義的自由を決して与えようとしなかった。彼らは複数の凶悪な法律を施行した。彼らは中部、南部、北部で異なる三つの制度をつくり、わが国家が統一するのを妨害し、わが民族が団結するのを妨害した。彼らは学校以上に多くの監獄を建設した。彼らはわが国を愛しわが種族を愛する者たちの殺害を強行した。彼らはわれわれの蜂起を血の海に沈めた。彼らは世論を縛り、愚民政策を施行した。彼らはアヘンとアルコールを用い、わが種族を弱体化させた。

Về kinh tế, chúng bóc lột dân ta đến tận xương tủy, khiến cho dân ta nghèo nàn, thiếu thốn, nước ta xơ xác, tiêu điều. Chúng cướp không ruộng đất, hầm mỏ, nguyên liệu. Chúng giữ độc quyền in giấy bạc, xuất cảng và nhập cảng. Chúng đặt ra hàng trăm thứ thuế vô lý, làm cho dân ta, nhất là dân cày và dân buôn, trở nên bần cùng. Chúng không cho các nhà tư sản ta ngóc đầu lên. Chúng bóc lột công nhân ta một cách vô cùng tàn nhẫn.

経済については、彼らはわが民を骨の髄まで搾取し、わが民を貧しく、不足した状態にし、わが国を粗悪にし、荒廃させた。彼らは田畑を、鉱山を、資源を奪った。彼らは紙幣の発行や輸出入の権利を独占した。彼らはいくつのも不当な租税を作り、わが民を、とりわけ農民と商人を貧困へと追いやった。彼らはわが資本家達の繁栄を許さなかった。彼らは非常に残忍な方法で、わが労働者達を搾取した。

Mùa thu năm 1940, phát-xít Nhật đến xâm lăng Đông - dương để mở thêm căn cứ đánh đồng minh, thì bọn thực dân Pháp quỳ gối đầu hàng, mở cửa nước ta rước Nhật. Từ đó dân ta chịu hai tầng xiềng xích: Pháp và Nhật. Từ đó dân ta càng cực khổ, nghèo nàn. kết quả là cuối năm ngoái sang đầu năm nay, từ Quảng trị đến Bắc kỳ hơn hai triệu đồng bào ta bị chết đói.

1940年秋、日本のファシストが連合国を倒すための基地を増やすべく、インドシナ半島を侵略しにやって来ると、フランス植民地主義者達はひざまずき、扉を開いてわが国に日本を迎え入れた。そのときから、わが民はフランスと日本の二重の鎖に縛られた。そのときから、わが民はより苦難を抱え、より貧しくなり、その結果、昨年末から今年初めにかけて、クアンチ(Quang Tri)から北部において200万人以上の同胞が餓死した。

Ngày 9 tháng 3 năm nay, Nhật tước khí giới của quân đội Pháp. Bọn thực dân Pháp hoặc bỏ chạy hoặc đầu hàng. Thế là chẳng những chúng không "bảo hộ" được ta, trái lại, trong 5 năm, chúng dã man bán nước ta hai lần cho Nhật. Trước ngày mồng 9 tháng 3, biết bao lần Việt minh đã kêu gọi người Pháp liên minh để chống Nhật. Bọn thực dân Pháp đã không đáp ứng, lại thẳng tay khủng bố Việt minh hơn nữa. Thậm chí đến khi thua chạy, chúng còn nhẫn tâm giết nốt số đông tù chính trị ở Yên bái và Cao bằng.

今年39日、日本はフランス軍を武装解除した。フランス植民地主義者達は、ある者は逃亡し、ある者は降伏した。彼らはわれわれを「保護」するどころか、反対に5年間で2度もわれわれを日本に売ったのである。39日以前、ヴェトミン(Viet Minh:ヴェトナム独立同盟)は何度もフランス人に、同盟を組んで日本に対抗しようと呼びかけた。フランス植民地主義者達はこれに応じず、ヴェトミンへの迫害をより一層強行した。彼らは逃亡する前、インバイ(Yen Bai)やカオバン(Cao Bang)の多くの政治犯を虐殺しさえしたのである。

Tuy vậy, đối với nước Pháp, đồng bào ta vẫn giữ một thái độ khoan hồng và nhân đạo. Sau cuộc biến động ngày mồng 9 tháng 3, Việt minh đã giúp cho nhiều người Pháp chạy qua biên thùy, lại cứu cho nhiều người Pháp ra khỏi nhà giam Nhật, và bảo vệ tính mạng và tài sản cho họ. Sự thật là từ mùa thu năm 1940, nước ta đã thành thuộc địa của Nhật, chứ không phải thuộc địa của Pháp nữa.

にもかかわらず、フランスに対し、わが同胞達は寛大で人道的な態度を維持してきた。39日の事変のあと、ヴェトミンは多くのフランス人が国境を越えるのを助け、多くのフランス人を日本の監獄から救い、彼らの生命と財産を守ったのである。事実上、1940年の秋から、わが国はフランスの植民地ではなくなったが、日本の植民地と化したのだ。

Khi Nhật hàng Đồng minh thì nhân dân cả nước ta đã nổi dậy giành chính quyền lập nên nước Việt Nam Dân chủ Cộng hòa. Sự thật là dân ta đã lấy lại nước Việt Nam từ tay Nhật, chứ không phải từ tay Pháp. Pháp chạy, Nhật hàng, vua Bảo Đại thoái vị. dân ta đã đánh đổ các xiềng xích thực dân gần một trăm năm nay để gây dựng nên nước Việt Nam độc lập. Dân ta lại đánh đổ chế độ quân chủ mấy mươi thế kỷ mà lập nên chế độ dân chủ cộng hòa.

日本が連合国に降伏すると、わが国の人民は、ヴェトナム民主共和国を建設すべく政権樹立に立ち上がった。事実上、わが民はヴェトナムをフランスの手からではなく、日本の手から奪取したのである。フランスが逃げ、日本が降伏し、バオダイ(Bao Dai)皇帝は退位し、わが民はこの約100年の植民地主義者からの鎖を取り払い、独立したヴェトナムを樹立した。わが民はまた、何十世紀におよぶ君主制を打倒し、民主共和制を打ち立てた。

Bởi thế cho nên, chúng tôi, lâm thời chính phủ của nước Việt Nam mới, đại biểu cho toàn dân Việt Nam, tuyên bố thoát ly hẳn quan hệ thực dân với Pháp, xóa bỏ hết những hiệp ước mà Pháp đã ký về nước Việt Nam, xóa bỏ tất cả mọi đặc quyền của Pháp trên đất nước Việt Nam. Toàn dân Việt Nam, trên dưới một lòng, kiên quyết chống lại âm mưu của bọn thực dân Pháp.

これにより、われわれ新ヴェトナム臨時政府は、ヴェトナム全国民を代表し、フランスとの植民地関係をすべて断ち切り、フランスがヴェトナムについて調印したすべての条約を撤廃し、ヴェトナムにおけるフランスのすべての特権を撤廃することを宣言する。ヴェトナム全国民は心をひとつにし、フランス植民地主義者の陰謀に対し断固として抵抗する。

Chúng tôi tin rằng các nước đồng minh đã công nhận những nguyên tắc dân tộc bình đẳng ở các hội nghị Tê-hê-răng và Cựu-kim-sơn, quyết không thể không công nhận quyền độc lập của dân Việt Nam. Một dân tộc đã gan góc chống ách nô lệ của Pháp hơn tám mươi năm nay, một dân tộc đã gan góc đứng về phe đồng minh chống phát-xít mấy năm nay, dân tộc đó phải được tự do! dân tộc đó phải được độc lập!

われわれは、テヘランおよびサンフランシスコでの会議において民族の平等原則を承認した連合国が、ヴェトナム人民の独立権の承認を拒否することはないと信じている。80年以上にわたりフランスの支配に勇敢に抵抗してきた民族、この数年間のファシストに抵抗し連合国と共に勇敢に闘ってきた民族、このような民族は、自由にならなければならない!このような民族は、独立しなければならない!

Vì những lẽ trên, chúng tôi, Chính phủ lâm thời của nước Việt Nam Dân chủ Cộng hòa, trịnh trọng tuyên bố với thế giới rằng: Nước Việt Nam có quyền hưởng tự do và độc lập, và sự thật đã thành một nước tự do, độc lập. Toàn thể dân tộc Việt Nam quyết đem tất cả tinh thần và lực lượng, tính mạng và của cải để giữ vững quyền tự do, độc lập ấy.

以上の理由から、われわれヴェトナム民主共和国臨時政府は世界に向けて、厳粛に次のように宣言する。ヴェトナムは自由と独立を享受する権利を有し、事実、自由で独立した国家となった。すべてのヴェトナム民族は、精神と力、生命と財産のすべてをもって、この自由と独立の権利を守り抜くと決意する。

HỒ CHÍ MINH

ホー・チ・ミン

(和訳:木村友紀)

参考資料:

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長文でしたが、最後まで読んでいただき感謝いたします。

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2015年8月27日木曜日

ドンナイの幼稚園と教会へ


以前からARBAとしても個人としても大変お世話になっている、ドンナイ省の幼稚園と教会に行ってきました。路線バスで約2時間…ですが、この日は運悪くエアコンの壊れたバスに当たってしまい、激暑の車内をうんうん唸りながら揺られていました。



暑さに耐えきれず、バスを乗り換えるポイントでカフェスアダーで休憩…。


ひとつ目の行き先である、幼稚園の様子。3~5歳児約400名が通っている、大規模な幼稚園です。9月から新年度のスタートですが、8月最終週からもう始業していたとのこと。新体制になって4日目にあたるこの日は、さすがに先生達も慌ただしくしていましたが、皆さんお元気そうで安心しました。


ちょうどお迎えの様子が見られましたが、園児たちのお父さんお母さん、よりも、おじいちゃんおばあちゃんのお迎えが目立ちました。小さな頃からバイクの後ろにちょこんと座り慣れている子どもたち。たくましいです。


幼稚園の後は、ふたつ目の行き先、教会へ。ARBAのツアーでは何度も宿泊させてもらってきました。夕方の礼拝の様子が見られましたが、この日はちょうど「聖モニカ記念日」という特別な日だったそうで、礼拝のなかで地元の男性陣による太鼓の演奏が見られました。女性(特に母親?)に対して感謝する記念日であるというこの日、いつもは普段着で参列する女性たちが、正装として色とりどりの美しいアオザイで来ていたのも印象的でした。

カトリックの儀式でありながら、ベトナムの伝統的なスタイル(太鼓やアオザイ)でお祝いをする… この融合が、何とも言えない不思議な雰囲気をつくっていましたが、この融合こそが、ベトナムにおけるカトリックのあり方なのだとあらためて認識しました。そんな大切な儀式を中心で取り仕切る神父さんにもお会いでき、やはりお元気そうな様子に安心しました。

ドンナイの幼稚園と教会は、これからも通い続けたい大切な場所です。

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2015年8月26日水曜日

好きなものいろいろ


ホーチミンに滞在中です。懐かしい風景に再会しながら、短期間ですが、帰って来たことを実感しています。以下、好きなものいろいろ…


路線バスの車内。すべてのバスではありませんが、徐々に車体が新しくきれいなものになっています。これらのバスには、同時に車掌さんがいなくなり、運転手さんひとりでのワンマン運転へと移行しています。前のドアから乗ってすぐに運転手さんへ料金を払うシステムです。


そのバスから眺めるバイクの波。帰って来た~と最も感じる瞬間です。このなかを自分が走っていたのが、若干信じられません(笑) 今からバイクに乗れと言われても無理かもしれない…!


さて、バスに乗ってやってきたのは5区のビンタイ市場。ホーチミンに遊びに来ていたクルアノックさん(前記事に登場)と一緒に行ってきました♪巨大な卸市場であるビンタイ市場、すっかり観光地となってしまったベンタイン市場よりも私は好きです。


そこで見つけた、巨大なコーヒー用フィルター!なぜか買いたい衝動に駆られましたが、お店をやるわけでもないし、使わない使わない…と逸る気持ちを抑えました(笑)


さて、こちらは別の日に行った、1区ビンコムセンター内に新しくできたスーパーマーケット「Vinmart」内の食堂。スーパー内に食堂があるというのが何とも新鮮です。見ている感じ、同じビンコムセンター内のオフィスで働く会社員の皆さんが食べに来ているのかな、という印象でした。おかずを指さしで注文して、安くて美味しい定食が食べられます。お昼どきしかやっていないみたいですが、会社の昼休みに当たると凄い賑わいです(席の確保に一苦労)。


賑わいと言えば、の、深夜の空港。この日は日本からのお客様のお迎えで行きましたが、到着口は深夜にもかかわらずお迎えの人でごった返していました。到着口から出てくる家族や友人を見つけると、駆け寄って抱き合う人や、思わず涙ぐむ人の姿も。空港には、人の数だけドラマがある…なんて、昔読んだ村上龍の「空港にて」を想い出していました。

どこへ行っても人の賑わいや活気を感じるホーチミン。その活気も、やっぱり私の好きなこの街の姿のひとつです。

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2015年8月25日火曜日

美味しいものいろいろ


先日鎌倉のイベントでご一緒したクルアノックさんがホーチミンに遊びに来てくれました。「食べて旅する東南アジアごはん」のクルアノックさんと一緒に、2日間、本当にいろいろ食べて旅をしました♪

クルアノックさんのブログはこちら


まずは有名な「46Aバインセオ」にて、バインセオ、生春巻きなどを食しました。ここのバインセオは炭火でパリッと焼いてあって、とっても美味しいのです。


もちろん大好きな「フーンライ」にも行ってきました。日本人オーナーさんによる、それぞれに困難なバックグラウンドを抱えるベトナム人若者たちの支援&トレーニングレストラン。洗練された、でもどこか素朴な、とってもやさしい味のベトナム家庭料理がいただけます。ちなみにHương Lài はジャスミンの香り」という意味。

Hương = 香り / Lài = ジャスミン


エビのココナッツジュース蒸し。この豪華な盛り付け方…!ちょっと贅沢しちゃいました。


スペアリブのやわらか煮(左)、焼き茄子のネギ油和え(中央)など。フーンライは食器をすべてバッチャン焼きで揃えていて、料理と一緒にテーブルを彩っています。


最後はパスター通りの行き止まりに近いシーフードレストランにて、牡蠣のクリームチーズ乗せ。これがもう絶品で絶品で…。いつもは1個でやめるのですが、クルアノックさんと盛り上がり、初めて2個めに手を出してしまいました(笑) 



この貝も美味しかったぁ…。こうしてピーナッツとネギをまぶした焼き貝、多いみたいです。

ホーチミンは美味しいものがたくさん。後悔しないように、たくさん食べて帰ろうと思います(笑)

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2015年8月23日日曜日

ホーチミン滞在スタート


今日から、半年ぶりにホーチミンに来ています。

今回は3週間の滞在。8月30日からスタートする法政大学キャリアデザイン学部のベトナム研修の準備のため、学生さんたちより少し早めにやってきました。


写真は深夜の羽田空港。今回は初めて、羽田発の直行便です。深夜1時25分に出発して、ホーチミン着は早朝5時15分…。機内で眠れればこの時間帯も悪くないだろうけれど、緊張感や高揚感もあってなかなかそううまくもいかず、ほぼ眠れないままホーチミンに到着しました。早朝なのでスイスイと手続きを済ませ(荷物も一番に出てきてラッキー)、市内のホテルに到着したのは6時頃。そこからしばらくゆっくりして、お昼頃からやっと動き出せました。到着してすぐ現地で仕事ができるからと、この便は日本のビジネスマンにとても人気だそうなのですが…私には無理でした(涙)。


ホテルの窓から見える電線。相変わらず束感がすごいです。

東京のほうが暑いよね…なんて思っていたらびっくり、ホーチミンも負けず劣らずの暑さ。でも日差しが強くてカラっとしています。東京のような湿度の高い暑さではないので気持ちがいいです。雨季らしく雨も降るので、止んだ後の涼しさもやはり気持ちがいいです(とは言え聞いたところによると例年ほど激しいスコールではない様子)。


遅めのお昼ご飯としてフォーを食べました。以前暮らしていた家の近くの「1ドルフォー」屋さん。この挑戦的な?ある意味チャーミングな?店名に、「この物価上昇の時代にそんな店名つけちゃっていいのかな」と思っていたのですが、ついに壁の価格表には白い紙で値段の部分が覆われ、1ドルではなくなっていました(開店当時は22000VNDでしたが現在は28000VND)。いつかはそうなるだろうと思っていたので、「ついに来たか」とちょっと笑えました。ところで本場のフォーはやはり美味しく、東京で食べるのとは違うなぁなんて思ってしまいました。ここ、超ローカルなお店なのですが、実は立派なウェブサイトもあるのが驚きです。興味のある方はご覧になってみてください。

Phở một đô (1ドルフォー):http://www.phomotdo.com/


路上カフェに座ってベトナムコーヒーを飲み、あま~い、おいし~い、などと言いながらゆっくり過ごした後で、夕食は友人宅にお呼ばれ。久しぶりの再会を喜びつつ、家庭の素朴なベトナム料理をいただきました。食卓には見慣れない野菜があって、友人に聞いたら白茄子でした(写真、ベトナム語はcà)。同じ白茄子でもよく漬物で出てくる小茄子(cà pháo)は知っていたのですが、こんなに大きなのは初めてで(トマトくらいの大きさです)、思わずパチリ。触った感じはやわらかくプニプニしていて、まさに茄子です。着いて早々こうした発見もあり、なんだか楽しくなりました。

3週間。長いようできっとあっという間の滞在になりそうなので、一日一日大切に過ごせたらいいなと思っています。楽しもう。

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2015年8月21日金曜日

夏を暮らす


昨年の冬に日本に戻って来て、5年ぶりにひと冬を越しました。生活基盤や人間関係の変化もあり、寒さとあいまってすこぶる調子の悪い冬でした。

春になって調子が戻り、お仕事も少しずついただけるようになってきて、あっという間に夏。実家を出たり、いろんな出会いがあったりと、変化の多いこの数カ月です。

ところで。東京の夏って…暑いのですね…。

サイゴンのほうがよっぽど過ごしやすいよ~と思いながら、毎日「暑い暑い」と連呼し、7月8月を暮らしていました。元来エアコンが嫌いで、できるだけ扇風機だけに頼って夏を過ごしたい私ですが、TVやラジオから流れるニュースでもアナウンサーさんが「エアコンを使ってください」と言うくらいの暑さだったので(メディアがこういう案内をすることにも軽い衝撃を受けました、熱中症が深刻なのですね…)、「そうだそうだ、仕方ない」と思いながら、電気代を気にしつつエアコンをつけて過ごしていました。

ひと夏越して(正確にはまだだけど)思ったのは、昔はもっと夏には食欲がなくなったのになぁ…ということでした。暑さにやられてご飯がうまく食べられず、体重が減り、食欲の秋にしっかり戻るというのが私の日本での年間サイクルだったような気がするのですが、今夏は全くその気配なし。でも、きちんとご飯を食べられるのはいいことです。すっかり体がベトナム仕様で、暑さに対する免疫ができているのか、あるいは福島に鎌倉にと移動の多かったこの夏に、「食べなきゃやってられませんよアナタ」という脳からの信号が出ているのか…。いずれにせよありがたいことに、モリモリ食べ続けていられた夏でした。

心や気持ちの動きにばかり敏感だった昔の自分は、年齢を重ねるにつれて、少しずつこうした身体の変化にも気づけるようになってきたような、そんな気がしています。やっぱり、いいことじゃないかなと思っています。あと、運動しよう…


夏の空は、夕暮れ時もきれいな日が多かったです。

さて、いよいよ明日の深夜には半年ぶりのサイゴンへ。あと一息~!

From Hem

2015年8月20日木曜日

「ひびのぱちり」始めました


ふとしたときに撮った写真を集約する場として、Tumblrを使って「ひびのぱちり」を始めてみました。ゆるりと投稿してきますので、お時間あるときに覗いていただければ幸いです。
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「ひびのぱちり」By きむらゆき
http://kiyuramuki.tumblr.com/
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※2016年4月、このページは閉鎖しました。
新しいウェブサイト「kotonoi」をご覧いただければ幸いです。


From Hem

2015年8月19日水曜日

福島でのベトナム語レッスン


この夏は、ご縁があって福島県のとある企業さんにて、ベトナム語レッスンのお仕事をさせてもらっています。まもなくハノイに赴任されるその企業の社員さん5人を対象にした赴任前ベトナム語レッスンで、7月に二回日帰りで行き、7月末から8月前半にかけては二週間弱の集中レッスンを行い、お盆休みをはさんで今日からまた三日間のレッスンで、私の担当は終わりとなります。普段東京の語学学校で教えているのとは、スケジュールも、学習者さんの目的も全く違うので、同じテキストを使っているとはいえ私にとっては違った緊張感があり、とてもいい経験をさせてもらっています。


福島県には、昔、小学生だったか中学生のころにハワイアンズに行ったことがあるだけで、大人になってからこうしてじっくり行くのは初めてで、そういう意味でも新鮮な気持ちです。福島県と行っても、宿泊する郡山と、そこから在来線に乗って通う企業さんの周辺くらいしか見られていないのですが、やっぱり知らない土地に来るのは楽しいし嬉しいです。

二両編成の在来線の本数は少なく、ボタンを押さないと開かない扉や、整理券を取って運賃を支払うシステムに戸惑いつつもワクワクし(何度も整理券を取り忘れて運転手さんに助けてもらいました)、車窓からの景色もまた雄大で見とれる日々でした。また社員さんからはレッスンの合間に震災当時のことも教えてもらって、とても貴重な話を聞くことができています。


自分が好きで、面白いと思っているベトナム語を初めての人たちに教えるということ。自分の経験を知識化するということ。あらためて教材を研究するということ。どれもとっても難しくてうんうんと悩む日々ですが、こうしてベトナム語と向き合えて悩めること自体ありがたいことなのだろうと感じています。いっぱい、悩もう。

今日のレッスンも終えたので、あと二日。今の私が伝えられることを、伝えきれればいいなと思っています。

From Fukushima

2015年8月10日月曜日

【開催レポ】ンゴンゴマーケットでのWS、終了しました♪



88日(土)・9日(日)に鎌倉の「ソンべカフェ」にて開催された『ンゴンゴマーケット』にて、両日ともにベトナムコーヒーを淹れるワークショップをやらせていただきました。土曜日は6名、日曜日は5名の方にお越しいただき、和やかな雰囲気のなかで進められたワークショップでした。ご参加の皆さん、遠くからお越しの方もたくさんいて、暑い中本当にありがとうございました。そしてご紹介いただいた皆さんにも感謝です。

ワークショップ1日目の様子

ワークショップのなかでは、私が現地暮らしのなかで経験したり知ることのできたホーチミンのコーヒー文化やコーヒー事情をご紹介させていただき、その後でおひとりずつ、本場の器具や粉を使ってベトナムコーヒーを淹れていきました。フィルターからポタポタと抽出されるコーヒーはとてもゆっくりとした速度で、その間におしゃべりを楽しむのがベトナム風。ベトナムコーヒーを淹れる際にはこうした「心と時間の余裕」をつくってもらって、せかせかした日常を一瞬忘れてもらうと、より美味しくいただけるように感じています♪ワークショップの最後には、コーヒーにまつわるベトナム語も少しだけ紹介させていただきました。


今回のワークショップ参加者の皆さんからいろいろな質問も投げかけていただいたおかげで、私自身ベトナムコーヒーへの理解をより深めたいという気持ちが強くなりました。8月末から少しの間ホーチミンに行ってきますので、またいろいろ見てこよう!と思っています。

ポタポタ、おしゃべりタイム

さて、今回の『ンゴンゴマーケット』、私は初参加だったのですが、こちらは「ソンべカフェ」がお休みの日に場所を借りて行っている「クルアノック」さん主催によるイベントです。クルアノックさんの作る美味しくてやさしいタイ料理のほか(賄いでいただきましたが本当に美味しかったです…!)、毎回いろいろな出店者さんがいらっしゃって、どの方も素敵な作品を作られていたり販売されていたりしています。

クルアノックさんによる賄い。美味しい~~~!

今回は可愛く心あるアジア雑貨を販売されている「OKKOYOKKO」さん(このイベントのフライヤーデザインも!)、J-Waveでも取り上げられた“冷えとりはねパンツ”を手掛けている「むぎのはね」さん、おしゃれなお洋服などをフリマで販売してくれた、オーガニックお菓子の「TANTO」さん、“メロメロメロン”というスイーツを開発・販売してくれたマーケットスタッフの「くみちゃん」、という強力メンバーが集い、イベントを盛り上げてくださいました。私も個人的にいろいろ買い物をしてしまいました(笑)

お店の前がマーケットとなりました♪
OKKOYOKKOさんの可愛い雑貨たち

ところで、久しぶりの鎌倉。お盆前の土日ということもあってか、大変な賑わいでした。土曜は長谷のシェアハウスに泊まらせていただいたのですが、日曜の朝から近くの由比ヶ浜にはたくさんの人が遊びに来ていました。


あらためて、イベントやワークショップに来てくださった皆さん、主催者のクルアノックさんをはじめ出店者の皆さん、ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。またいつかどこかでお会いできる日を楽しみにしています~!

From Hem